2025-03

今日は、晴れてはいますが、空気はまだ冬の名残を感じさせます。ハクは、アウトドアエリアにペレット探しの旅に出かけたいのですが、この時間は、トワイライトゾーンのトンネルが姿を見せません。あのトンネルが再び現れるその時まで、ハクはデッキで、陽の向きをたしかめながら、待機中です。すると、設計おじさんが「もうトンネルへの探求心はないんですか？」とハクに尋ねましたが、それは違います。ハクの探求心はいつだって健在です。ただ、あの呪文を設計おじさんが唱えなければ、トンネルは開かないのです。とりあえず、開かない扉に向かってカジカジして、諦めていないことをアピールしてみました。

今朝、ハクは思いました。これは……冬の空気じゃないですか？小屋のなかもひんやり。外の空気もどこか冷たくて、まるで春の仮面をかぶった冬です。「春なんですか？」と何度も問いかけましたが、誰も明確な証拠をくれません。探検家として、天候には常に疑いを持つのが基本です。今日のこの空も、春とは呼べません。まだ調査が必要です。

パッチワークおばあちゃんが遊びに来ました。お客さんのときは、しっかりごあいさつするのがマナーです。だからハクも、ご希望にお応えして、お顔を出しましたよ。「かわいいねえ」「まぁ、なんていい子なの！」と、たくさん言っていただきましたが……ハクは眠かったんです。とっても眠かったんです。そんなときは、「可愛い」より「おやつ」をください。ひまわりのタネでも、タンポポでも、パセリでも結構です。おやつの一粒、それが最高のごほうびなのです。

今日は洗濯おばさんが、「ハクをCMに出したいなあ」なんて言ってました。洗濯おばさんは「かわいいからね〜」って言ってましたが、ハクはかわいい系じゃないんですよ。探検家ですから。なので、CMに出るなら、アウトドアスポーツのブランドでお願いします。たとえば、テントの中で地図を広げるハムスター。あるいは、山の頂上で風に吹かれている姿。ね、似合うでしょう？それより気になるのは、明日のこと。洗濯おばさん、何か買ってきましたね？ 誰か来るんですか？ハクの探知センサーが反応しています。これは、何かある予感です。

黄砂が去ったと思ったら、今日はじっとり蒸し暑い日。こういう湿気がとっても苦手なんです。遺伝子先生いわく、「元々乾燥した砂漠で暮らしていたハムスターは、湿気が大の苦手」なんだそうです。たしかに身体がなんだかじっとりする感じ。これは気をつけないといけません。ということで、お外の小屋でお昼寝させてもらいました。風通しがよくて、少し楽になります。夜は砂風呂の上で伸びをして、身体をひやしていたら、洗濯おばさんが「ごめんね」と言って、エアコンをつけてくれました。ありがとうございます。

いつもと同じ空でも、今日は黄砂がまじっているようで、設計おじさんの調子はいまひとつ。そんな設計おじさんの気分転換にと、ハクは「小瓶の中で溺れそうになるハムスター」を演じてみました。設計おじさんが笑ったので、それでよしです。洗濯おばさんも設計おじさんの元気がない時は、ひょうきんになって笑わしているので、それに習ってみました。そして今日は、アウトドアエリアで、はじめて仮眠をとってみました。探検家として、安全確認がすんだ場所で仮眠をとることは大事なことです。

設計おじさんが、今日はとても静かです。目は赤く、鼻の奥がずっと痛いそうです。頭痛もひどくて、少しよろよろしていました。ハクは黄砂という存在を、まだ見たことがありません。でも、設計おじさんの目と鼻と頭に、同時にダメージを与えるということは——とても手強い相手に違いありません。地下のお部屋まで来ないでほしいものです。

洗濯おばさんが、お友達とたくさんのグリーンがある場所へお出かけしたそうです。それにしても、グリーンといえば、小松菜やブロッコリーの香りが思い浮かびます。ハクはてっきり——お土産があるのだと思いました。……ないんですか？遠慮がちに、手の甲をタッチしてみましたが、何も出てきませんでした。

設計おじさんが何か測っています。ハクの成長に合わせて、アウトドアエリアを拡大する計画らしいです。それはうれしいですね。でも、それより気になることがあります。どこからか、いちごの匂いがします。でも、おやつはいちごじゃなくてブルーベリーとドイツ製のおやつ。いちごはどこへ？

今日でホームステイ半年記念だそうです。洗濯おばさんはちゃんとお祝いの言葉をくれました。でも、設計おじさんは…忘れていましたね？それなのに、まるで知っていたかのように返事をしています。ハクは耳がいいので、こういう微妙な変化はすぐに察知できます。ごまかしは通用しませんよ。

設計おじさんのお料理の仕込みがおそくなり、ハクの晩御飯もその流れでそのまま遅くなり、とうとう洗濯おばさんと順番が重なってしまいました。ハクはラタンボールで夢中で遊んでいるふりをしてご飯を待ちます。でも、心の中では少しだけ「ハクが先がいいな…」と願っていました。しかし、現実はそう甘くありません。洗濯おばさんが優先されました。

アートな映画は難しいみたいですね。洗濯おばさんも設計おじさんも、見終わったあと微妙な顔をしていました。ハクなら、インディー・ジョーンズを選びます。トンネルを抜けたその先にある、まだ見ぬ世界へ。探検家とは、そういうものですから。インディー・ジョーンズは心の中の先生です。

探検家は、常にエネルギーをチャージしておかなければなりません。いざというときのために。だから、ハクは晩御飯のにおいを察知したら、すぐにゲートの横でアピール開始です。アウトドアエリアに出れば、何か特別なものがもらえるかもしれません。……え？ まだハクのご飯の時間じゃない？ そんなこと言わずに、早くしてください。そんな中、アウトドアエリアへのトワイライトゾーンの解明は諦めたんですか？と設計おじさんに皮肉を言われました。嫌なポイントを突いてくるのが設計おじさんです。

暖かくなったと思ったら、急に寒くなり、強い風に雷、そして雨。こんなに気まぐれな天気では、ハクの体内時計も狂いそうです。人間の世界は本当におかしなことになっていますね。設計おじさんも「季節がむちゃくちゃだ」と嘆いていました。でも、ハクの巣の中はいつでも変わらず快適です。こういう時こそ、お部屋の中でじっとしているのが一番ですね。

晩御飯が遅いです。そして、ペレットの時間も遅いです。お腹が空いて、デッキの上で待っていたのに、なかなか来ません。どうやら、ハクの砂浴風呂の掃除に時間がかかっているそうです。原因は……トイレ並みにしっかりとオシッコをしてしまったこと。設計おじさんに、しっかり怒られました。でも、砂の感触が気持ちよくて、つい油断してしまったのです。

晩御飯にたこ焼きを作っているそうです。地下のお部屋まで、いい匂いが漂ってきます。ジュウジュウ、クルクル、楽しそうな音も聞こえます。そこへ設計おじさんのひと言——「たこ焼きの丸みは、ハクちゃんのお尻に似ている」……やめてください。お尻は食べないでください。

今日は洗濯おばさんから、ドイツ製のおやつとひまわりの種を3つをもらいました。仲直りの儀式だそうです。お財布を誤って落としてしまったことと、指を間違えて噛んだだけなのに一方的に怒ってしまったことの件だそうです。……まあ、そういうことなら、ありがたく受け取ります。特にこのドイツ製のおやつ、ほんとうに美味しいですよね！設計おじさんは、「ガッツかないで、上品に食べなさい」と言いますが、それはムリです。

設計おじさんが、また怒っています。今回は、洗濯おばさんが花粉をまとったまま部屋に入ってきたからです。「だから、玄関前で花粉を落としてから入ってって言ってるのにー！」くしゃみと怒りの声が交互に響きます。へーっクション！ぷんぷん！ハークション！ぷんぷん！最近、よく怒っていますね。もしかして、花粉のせいですか？ 人間は大変ですね。

設計おじさんのくしゃみが止まりません。へーっクション、シャン、クシャん、ハークション、ブヒっ。花粉がひどいみたいです。でも、ハクにとっての問題は別にありました。大変なミスをしてしまったのです。ペレットをくれるのかと思ったら、そこにあったのは洗濯おばさんの指。……思いきり噛んでしまいました。洗濯おばさんは怒っています。ごめんなさいね。でも、ハクも驚きました。だって、指とペレット、似ていませんか？ ね？無理がありますか？でも洗濯おばさんの指はポッキーみたいに細いですよ。

設計おじさんと洗濯おばさんは、コリアンタウンへ出かけたそうです。設計おじさんが夢中で見ている韓流ドラマの影響かと思いましたが、「断じて違う」とのこと。でも、洗濯おばさんは楽しんできたみたいですね。それはいいのですが、ところで——ハクにお土産はないんですか？旅の帰りには、お土産を持ち帰るのが探検家の基本ですよ？たんぽぽでも、ブルーベリーでも、おいしいものなら何でもいいのですが……どうなんですか？

「ドカッ！」と大きな音がしました。何事かと思えば、天から大きなお財布が落ちてきたのです。もしもハクの上に落ちていたら……想像するだけでゾッとします。設計おじさんは「危ないよ！」と洗濯おばさんを叱っていました。でも、洗濯おばさんもわざとではありません。ハクは無事ですから、そんなに怒らないでくださいね。ただ、探検家としては、こういう予期せぬ危険にも備えなければなりません。日頃のトレーニング、経験、そして運——すべてを駆使して、生き延びる力を磨くのです。

設計おじさんの体調が少し回復したようですが、今度は腰が痛いそうです。一難去ってまた一難ですね。それならば、ハクが全力で腰の上を走って、揉んであげるのが一番の治療法ではないでしょうか？サイクリングで鍛えたこの足で、トントントンと軽快に踏みしめれば、きっと血行がよくなりますよ。……ただ、問題はそこへ行く手段です。ハクはアウトドアエリアの向こう側には行けません。そちらの世界にジャンプさせてもらえれば、今すぐにでも施術に向かうのですが。設計おじさん、どうでしょう？

設計おじさんが、一日中ベッドから出てきません。だ、大丈夫ですか？ それより……ご飯は？ どうやら今日は期待できそうにありません。ならば、探検家として遠征するのみ。サイクリングで遠出を試みてみました。こういうときこそ、行動あるのみ。幸い、洗濯おばさんの帰宅とともに設計おじさんも復活。ご飯問題も無事解決です。

設計おじさん、腰と背中が痛いそうです。どうやら先日、洗濯おばさんに言われてガクト式スクワットを試したとか。でも、それは基本以上の筋力が備わってる人向けのメニューですよ。案の定、日に日に痛みが増しているようです。普段から体を鍛えているハクには、無理だとすぐにわかりました。それよりも、毎晩ハクのようにサイクリングを始めた方がいいですよ。地道な運動が大切です。

「ここにヒントがあるよ」…設計おじさんがまた隠された洞窟の話を持ち出してきました。ハクがなかなか見つけられないから教えてあげよう、ということらしいですが…入りませんよ、ヒントなんて！探検家として、自分の力で発見することに意味があるのです。それはそれとして、今日の白菜は最高ですね。

今日も雨が降ったり止んだり。ハクもお外に出たり地下に戻ったり、気まぐれな一日を過ごしていました。そんなまったりした時間の中、不意に設計おじさんのラタンボールの挑戦状が！油断していました…でも負けません。探検家としての誇りにかけて、ペレットは必ず奪い取ります！

設計おじさんが、ハクのホームステイ以来もっとも凹んでいます。探検家として見逃せない事態です。事情を聞いてみると…ふむふむ、それはアウトですね。設計おじさん、反省してください。ハクの判断は厳正ですが、公正です。次は同じ過ちを繰り返さないように、しっかり反省を！

設計おじさんは、昨夜「隠れた洞窟のありかを教えてあげたのに」と言いました。でも、探検家とは自らの力で道を切り開くもの。与えられた地図ではなく、自分で見つけた場所こそが本当の発見と魅力なのです。だから、隠された洞窟の場所は変更しておいてください。見なかったことにします。