2025-05

ハク

Day 252,滝行?

今日も、ひんやり涼しい日でした。気温が日によって変わるので、体調管理が大変です。そんな日は、地下のお部屋でのんびり過ごすに限ります。ところが、設計おじさんと洗濯おばさんが、なにやら「滝を見に行こう」と話しています。しかも「ハクちゃんに滝行させたら?」なんて、冗談じゃない話まで。冷たい水をかぶる?毛がびしょびしょに?それは、ハムの生活様式から、完全に逸脱しています。絶対に行きませんよ。
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Day 251,非常食、ゼロの夜

この前の大掃除で、お部屋も地下もすっきりしました。同時に、備蓄していたペレットも、全部なくなりました。それ以来、お外での夜の運動はひかえめです。体を使ったあとに食べ物がないと困りますから。設計おじさんから、「夜の運動してないね」と言われましたが、それは、それでしてますよ。設計おじさんから見たらそういうふうに見えるでしょうね。ちゃんと地下のお部屋でせっせと巣作りもしているのです。清潔なのはありがたいですが、いちから巣作りの準備は大変です。そして、声を大にして言います――備蓄ペレットをたくさんください。
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Day 250,ひんやり小屋、ただいま愛用中

最近、昼間はあっちこっちと移動しながら、お昼寝をしています。地下のお部屋で丸くなったり、お外の小屋にこもったり、ときには洞窟でひと休みしたり。どこもそれぞれに落ち着きます。でも、ここ数日はとくにムシムシしていて、少し動くだけでも暑いですね。そんなときにぴったりなのが――床がひんやりプレートの小屋です。木の床に置かれたそのプレート、ハクの体温をすーっと吸い取ってくれて、冷たくてなんだかずっといたくなります。今日もそこで小さくなって、うとうとしていました。まるで氷のベッドに寝ているような、そんな気持ちよさ。ムシムシした時期のハクの正解は、ここです。
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Day 249,お土産はないんですか?

今日は、お昼すぎからお二人そろってお出かけでしたね。静かな午後、ハクはのんびりペレットをかじりながら、どこに行ったのかなあと考えていました。夕方、お二人が帰ってきて、ふと耳に入ったのが「ペットショップに寄った」の声。……ん?ペットショップ?……寄った?ハク、ちゃんと聞きましたよ?ペットショップって、ハクのごはんとか、おもちゃとか、つまり、お土産がある場所ではありませんか?うれしい気配にワクワクして待っていたのですが、何もありませんでした。お土産は……ないんですか?
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Day 248,イヤーな気分

ガス点検の日。知らないおじさんが、お部屋に入ってきました。設計おじさんはハクにだけ、小声で「ニコチン大魔王だ」と言いました。最初は意味がわからなかったけれど、そのおじさんが話すたび、動くたびに、空気の中にイヤーな匂いが広がっていきました。ハクは、鼻が効く分、人よりもすぐにイヤーな気分になります。設計おじさんは、タバコの匂いが苦手です。ハクもです。ニコチン大魔王が帰ったあとも、その匂いが残っているのが本当に困ります。空気清浄機のシャーくんに頑張ってもらうしかありません。他人のお家に入って点検するなら、この匂いがイヤな人も動物もいることを、忘れないでほしいと思いました。
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Day 247,ミステリアス

今日は、少しだけアウトドアエリアの開放が早かったです。なんとなく、いつもとは違う気分で、野菜やニボシよりもペレットを先に食べたくなりました。野菜を放置してペレット待ち、というやつです。設計おじさんは、「どういうことですか?」と神妙な顔。ふふ、洗濯おばさんのいう“ミステリアス”というのを、今日は演出してみたのです。予想通りに動くと思ったら大間違いですよ。
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Day 246,見てますか?ここにいますよ

今日は設計おじさんと洗濯おばさんが、お出かけでした。ペットショップにも寄ったみたいです。白くて小さなハムちゃんがいたそうで、ふたりとも「かわいかったね〜」という空気。…あの、こちらにも可愛い子ちゃんがいますよ。見えてますか?そしてお土産もなしですか?
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Day 245,雨の風情

今日は、大雨。ついに設計おじさんはダウンして、お部屋でごろり。ハクも真似して寝転がってみましたが、しんどくはありません。静かに降る雨音に耳をすませていると、なんだか心が落ち着きます。こういうのを「風情」って言うんでしょうか。
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Day 244,困りものが、続いてます。

設計おじさん、今日も毒舌が止まりません。どうやら、明日の雨を前に体の調子が悪いみたいです。昨日もそうでしたし、今日もまた…。本当に、昨日と今日も困りものてす。洗濯おばさんもハクも、少々困っています。
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Day 243,毒舌には、注意です。

朝から、設計おじさんの様子が少し変です。どうやら体調が悪いようですが、そのせいか言葉がとんでもなく毒舌になっています。洗濯おばさんとハクは、思わず注意しました。「そういうのは、よくありませんよ」と。でも、設計おじさんは例によって、聞こえないふりです。だめですよ、そういうのは。
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Day 242,今日は、鈍感ですか?

朝から、暑いです。蒸し蒸しします。ハクは耐えきれず、お外の小屋で顔を出しながら「暑いなー、蒸し蒸しするなー」と心の声を空気中に放ちました。しばらくして、洗濯おばさんがエアコンを入れてくれました。ありがたいことです。おかげで、なんとかお部屋で落ち着けます。でも今日は、設計おじさんの体温センサーが、ちょっと鈍感になっていたようです。普段ならもっと早く気づいてくれるのに……。
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Day 241,気配、感じます

ジメジメした空気も、ここではあまり気になりません。設計おじさんと洗濯おばさんが、きちんと快適な環境を保ってくれるからです。ありがたいことです。ところで、ハクは感じています。設計おじさんの視線……特に地下のお部屋の方向への、熱のこもったまなざし。ジロジロと、何かを考えている様子です。これはきっと、ただの気まぐれではありません。おそらく、あれです。大掃除が、近いのです。ハクとしては、もう少しだけ……もう少しだけ、寝床の調整をしたいのですが。設計おじさんは、「お部屋をウンチをペレットでいっぱいでしょ?最近いろんなところ掘って、新しいお部屋を探しているでしょ?わかりますよ。だから片付けるのです」とピシ...
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Day 240,一緒にカジカジしますか?

ハクは、朝のルーティンをだいじにしています。今日もいつものように、りんごの木をカジカジ、ヘチマをカジカジ。歯の健康を守るためでもありますが、心を落ちつける時間でもあります。そんな朝、デッキから見える設計おじさんが、なにやら布団の中でぐったりしています。どうやら、今日は体調がよくないようです。声をかけてみたいけれど、ハクの声は届かないので、代わりにカジカジの音を響かせました。設計おじさん、一緒にカジカジしますか?無心でかむのは、けっこういいものです。
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Day 239,キャベツが帰ってきた

今日の夜は、お好み焼きの香りが、回し車の近くまで届いてきます。ほんのりかおるキャベツの香り、良いですね。洗濯おばさんは「キャベツ、やっと安くなったの!」と、うれしそう。最近キャベツが出てこないなと思っていたのですが、理由があったんですね。季節やお天気、そして野菜のお値段。人間の暮らしは、いろんなものでできているんだなぁと、しみじみ思いました。それはハクにも影響してくるのです。
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Day 238,ごめんね、だけじゃなく

今日の夜は、ごはんがちょっと遅くなりました。理由は、洗濯おばさんの帰りが遅かったからです。それはいいのです。でも、洗濯おばさんの夕食が先で、ハクの夜ごはんは、そのあとでした。設計おじさんは、いつも洗濯おばさんを優先しています。そのことにも文句はありません。一応、洗濯おばさん、「ごめんねー」と言ってくれます。でもそれだけ? ハクは、今日もちゃんと待ってましたよ。お利口にしてたごほうびは…たとえば、お土産とか…ないんですか?ひまわりの種ひとつでいいんです。ちょっとした「気持ち」、それがうれしいのです。
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Day 237,ジメジメと頭痛

今日は曇っていて、夜には雨が降りそうです。部屋の中もしっとりしていて、ちょっと重たい空気。設計おじさんは「頭が痛い…」と何度も言っていました。気圧のせいかもしれません。人間って不思議ですね。ハクは頭痛というものを知らないので、少し心配です。何かできることはないかと思いましたが、そっと静かにしておくのが、今できるお手伝いかもしれません。探検家にとって、天気の変化を感じる力は大切です。湿度、風のにおい、空の色。自然はたくさんのヒントをくれます。今日は、そっとおじさんを見守る一日でした。
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Day 236,探検家も健康がいちばん

今日は、設計おじさんが「健康診断」というものに行ってきたそうです。洗濯おばさんは、「ハクちゃんも行っといで」と言いましたが、遺伝子先生から「専門医に見てもらわないとね」と注意されていたので、遠慮しておきました。ハクの体調は今のところ良好。設計おじさんの几帳面な食事管理とお掃除のおかげですね。ところで、おじさんは帰ってから何度もおトイレに……。大丈夫ですか?と聞いてみたら、どうやら「白いうんち」を出していたそうです。バリウムの後片付けだそうです。やはり、健康の確認にはいろいろと大変なことがあるんですね。探検家としても、まずは健康第一。これからも、食べすぎず、運動を欠かさず、整えていきたいと思いま...
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Day 235,ベルの音が聞こえたら

アウトドアエリアの閉館時間が近づくと、空気の色がゆっくりと変わっていきます。それは、ハクが“トワイライトゾーン”と呼んでいる時間。そんなとき、どこからか美しいベルの音が聞こえてきました。音色につられて回し車の前に行くと、設計おじさんがペレットを差し出してくれます。「ありがとうございます。でも……どうして今日だけ?」後ろを振り返ると、なんと、トンネルが消えています。さっきまであったアウトドアエリアへの道が、跡形もなく。設計おじさんが、何か不思議な術を使ったのかもしれません。「これからは、このベルが鳴ったら帰る時間だよ」そう言われました。ペレットがもらえるなら、帰りますよ。ベルの音が合図ですね。
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Day 234,焼肉の匂い

今夜は、お家が少し静かでした。設計おじさんと洗濯おばさんの気配が夜になってもありません。「どうしたのかな」と思っていたら、帰ってきました。すぐに気づきましたよ。大工じいちゃんと焼肉ですね。あの香ばしい匂いは、ハクの鼻にはすぐに届きます。お二人の服や指先に、しっかり残っていました。遺伝子先生によると、「私たちハムスターは、目よりも耳よりも、まず鼻が頼り」と言ってました。匂いで相手を覚え、安心を感じ、変化を見つけます。今日の変化も、ちゃんと感じとりました。ハクの嗅覚は、案外すごいのです。
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Day 233,プレゼントしました

今日は、洗濯おばさんの大事な日ですね。設計おじさんからお聞きしていますよ。ハクが今日の深夜サイクリングの時間に洗濯おばさんにお誕生日おめでとうと言ってあげますからね。それから――ハクからのプレゼントは、とれたての食糞です。自分のからだがつくった、栄養たっぷりで大事なもの。だからこそ、気持ちをこめて選びました。でも、洗濯おばさんは、なぜか苦笑いです。ハクは本気だったのですが……。
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Day 232,蒸し蒸しの日はお外でゆっくり

今日も蒸し蒸しとした一日でした。夕方から雨が降る予報なので、外の空気はどんよりしています。こんな日は無理せず、お部屋の外でゆっくり過ごすのが一番。静かな時間が心地よいです。
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Day 231,湿気は嫌い

今日は空気が重たくて、ジトっとしています。遺伝子先生いわく、私たちの仲間は乾燥地帯の出身なので湿気が苦手とのこと。そんな中、洗濯おばさんがすぐにエアコンをつけてくれました。空気がふんわり軽くなって、とても快適です。本当にありがとうございます。これからの季節は湿度50%前後が大切。デッキの上から守ってくださいねの眼差しを送ってみました。
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Day 230,小さな秘密のある午後

朝の空気がちょっと気持ちよくて、ハクは軽やかにキュキュっと鳴いてみました。設計おじさんは、すかさず「嬉しいことがあったの?」と聞いてきます。答えは、うーん…そうかもしれません。でもそれは、内緒にしておきたいこと。午後になると、砂風呂の一角をせっせと掘って、縁をカジカジ。設計おじさんはまた聞いてきました。「いつもそこで、何してるの?」。それは内緒です。洗濯おばさんがミステリアスな女ってやつも覚えておいた方が良いと言っていました。
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Day 229,ベルが鳴ったら

今日は、設計おじさんが頭痛でしんどいそうです。ハクは思いました。「それは明日、きっと雨ですね。」そして今日から、アウトドアエリアには新たなルールができました。それは――終わりのベル。お食事のベルとは違う音がして、それを聞いたら、アウトドアエリアから帰る時間、というわけです。つまり、自分の意志で帰ってくださいねというサイン。強制連行されるよりは、ずっとスマートです。しかも、タイミングよく回し車の上にはペレットが用意されています。そう、ペレットで釣る作戦。わかってますよ。ええ、全部お見通しです。でも、そのくらいの工夫、ハクは嫌いじゃありません。
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Day 228,ショーシャンクの空に

お昼のアウトドアエリア、風が気持ちよさそうです。でも、出られません。なぜなら、トンネルは夜だけにしか開かないから。トワイライトゾーンという不思議な制限がある以上、待っていても何も変わりません。そこで、ハクは決意しました。「ショーシャンクの空に」計画をはじめます。少しずつ、こっそりと、分厚い門のすみを削る作戦です。一日に0.2ミリでも、いや0.05ミリでも削れたら、それは希望に近づく一歩。昼間に外に出てみたい。ただそれだけの願い。ハクの冒険は、今日も静かに始まっているのです。
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Day 227,心配しましたよ

今日は、雨の音が静かに響く一日。心配事は夕方になっても、設計おじさんと洗濯おばさんが帰ってきません。ハクは思いました。「これは、何かあったのでは……?」でも、ただじっと待つしかできません。ようやく玄関の音がして、おふたりの足音が聞こえたとき、ハクは心の中で思わず言いました。「心配しましたよ」それなのに。今日は、夜の時間が短いからという理由で、アウトドアエリアのエリア2へのトンネルは出現せず。……それって、人間の都合というやつですよね。でも、洗濯おばさんは「ご協力ありがとう」と言ってくれました。そのひと言で、気持ちがふっと軽くなりました。設計おじさんは、一言何かないですか?
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Day 226,シンデレラタイム

ハクは、夜のアウトドアエリアがとても気に入っています。静かで、ひんやりしていて、風がすっと抜ける感じが心地よいのです。今日も、エリアの外から木の香りを感じながら、うとうとしていたら、「ハクちゃん、アウトドアエリアのタイムリミットがきたので、強制移動です」と、設計おじさんの声。コップにすっと入って、気がついたら、お部屋の近くへ——瞬間移動です。びっくりして、パニックになってしまいました。ハクは知らなかったのです。アウトドアエリアには、24時までのシンデレラタイムがあることを。居心地がよくて、つい長居してしまったハクを、設計おじさんはずっと待ってくれていたようです。でも、時間切れ。きっと、心を鬼に...
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Day 225,寝言は聞かなかったことにしてください

今朝、ハクは自分でも気づかぬうちに、「キュキュ……」と寝言を言ってしまったようです。それを設計おじさんに聞かれてしまいました。あとで、「かわいい寝言だったね」と言われて赤面。お願いです、耳をそばだてないでください。夢の中まで見られている気がして、くすぐったいのです。恥ずかしいので穴に潜ります。