ハク DAY:405, トリック・オア・トリート
「おやつをくれなきゃ、いたずらしますよ」そう言ってみても、応える声はありません。まてども、誰も来ません。設計おじさんも洗濯おばさんも、パッチワークばあちゃんのお家に行ってしまいました。お外では、風の音と雨のしずくが窓を叩いています。デッキの明かりも消えて、ハクの世界はしんと静まり返っています。あれだけ楽しみにしていたハロウィンなのに、気づけば夜が更けていくばかり。でも、遺伝子先生が前に言っていました。「孤独を感じる時間は、探検家にとっては大切な訓練なんだよ」そう聞いたハクは、少しだけ誇らしくなりました。それにしても、まだですか?ハロウィンが終わってしまいます。早く帰ってきてください。
