2025-10

ハク

DAY:405, トリック・オア・トリート

「おやつをくれなきゃ、いたずらしますよ」そう言ってみても、応える声はありません。まてども、誰も来ません。設計おじさんも洗濯おばさんも、パッチワークばあちゃんのお家に行ってしまいました。お外では、風の音と雨のしずくが窓を叩いています。デッキの明かりも消えて、ハクの世界はしんと静まり返っています。あれだけ楽しみにしていたハロウィンなのに、気づけば夜が更けていくばかり。でも、遺伝子先生が前に言っていました。「孤独を感じる時間は、探検家にとっては大切な訓練なんだよ」そう聞いたハクは、少しだけ誇らしくなりました。それにしても、まだですか?ハロウィンが終わってしまいます。早く帰ってきてください。
ハク

DAY:404, 音の魔法、ハロウィン前夜

夕方になると、外の空気がふいにざわめきます。今年もハロウィンの曲が鳴り響く時間です。設計おじさんおすすめのナイトメアー・ビフォア・クリスマス「ハロウィーンタウンへようこそ」マリリンマンソンバージョンの低い声とリズムが、デッキの木を震わせるほど響いてきます。ハクはその音を聴きながら、胸の奥がすこし高鳴りました。探検の前夜のような、ぞくぞくする感じ。音には、ただ鳴るだけで世界を変えてしまう力があるのです。
ハク

DAY:403, あたたかい、という贈りもの

今日は空気がぴんと冷たく、デッキの上も少しひんやりしていました。でも、設計おじさんが巣材をたっぷり入れてくれたおかげで、地下のお部屋をふんわりとあたたかくする準備ができました。巣の奥まで潜りこんで鼻先をうずめると、冬の訪れがすこし楽しみになります。遺伝子先生が言っていました。「ハムスターは自分でフカフカベットをつくる動物なんだよ」ハクにとって、今日の巣材はまさに“ぬくもり”の贈りものでした。ちなみに今日のブルーベリーは少し大き目に切ってもらえていて嬉しいです。
ハク

DAY:402, ハクの毛布問題

夕方から急に冷えこみました。設計おじさんと洗濯おばさんは、ぬくぬくの布団カバーと毛布を見に行ったようです。ハクもそれを聞いていました。「毛布…ハクのぶんは?」忘れないでくださいね。遺伝子先生によると、ハムスターは冬になると巣材をたくさん集めて自分の体で熱を保つそうです。ハクとしてはふかふかの人間用毛布を一度でいいから体験してみたいものです。きっと夢もあったかくなると思います。
ハク

DAY:401, ハク式お見舞い

午後から設計おじさんはお昼寝が続いています。どうやら風邪か疲れのようです。デッキから見ていると、時々もぞっと動きますハクは思いました。「出してもらえたら、おでこをなでなでしてあげるのに」と。今夜はひまわりの種を一粒、設計おじさんが元気になるようにお祈りしながらいただきます。
ハク

DAY:400, 首だけ探検家

洞窟の入り口から首だけ出して、齧り木をカムカムしていました。まるで探検先の様子をうかがうように。でも、設計おじさんに「ズボラだね」と言われてしまいました。ハクは、ちょっとムキっとしました。そんなことないです。これは、ハムスター流の省エネ探検なのです。けれど、言い訳しても仕方ないので、ちゃんと外に出てカムカムを続けました。
ハク

DAY:399, エアコンのお掃除の日

今日は、知らないおじさんがやってきました。どうやらエアコンのお掃除をしてくれる人のようです。ご苦労さまです。ただ、少し早く来てしまったようで、設計おじさんのお昼寝時間がなくなってしまいました。かわいそうに。ハクはというと、そんな騒がしさの中でも、ちゃんとお昼寝をとります。寝ることは、ハムスターにとって“生命の整備”なのです。遺伝子先生が言っていました。「ハムスターは、体を動かすより、眠ることで世界を整理している」と。エアコンがきれいになるように、眠ることでハクの中も整っていくのです。
ハク

DAY:398, 小さな足跡でも、確かに前へ

初の女性の総理大臣の話題がテレビのニュース番組から聞こえています。その横で、設計おじさんは「どんな時代になるかな」と静かに言いました。ハクは思いました。ハムスターの探検だって、誰も見ていないようで、ちゃんと誰かの記録に残っていくのかもしれません。回し車でサイクリングをしているときの足跡は小さいけれど、ハクにとっては大冒険の証です。「小さな足跡でも、確かに前へ」遺伝子先生の言葉を思い出しながら、ハクは今日もお部屋の地図を少しずつ広げていくのです。
ハク

DAY:397, ハクの晩ご飯はまだですか?

今日は、設計おじさんが洗濯おばさんのお蕎麦をお腹いっぱい食べて、ごろんと横になっています。そのうえ、録画していた葛飾北斎の映像に夢中で、まったく動きません。おかげで、ハクの晩ご飯の準備が進まないのです。お蕎麦を食べるのも、北斎さんを見るのもいいですが、ハクのお腹は待ってくれません。洗濯おばさん、どうか設計おじさんを起こしてください。ハクは、今夜も、静かに晩御飯の香りを想像しています。
ハク

DAY:396, 秋の本能スイッチ

今日から、ぐっと冷え込んできました。デッキの向こうで風の音が変わると、ハクの体の中でも何かがカチッと切り替わるのを感じます。お昼間のパトロールの回数を減らしてお部屋で暖かくしています。そろそろ食料を今まで以上に溜め込んでいかないとと思っています。遺伝子先生いわく、「秋の本能スイッチ」だそうです。野生のハムスターは、冬になると食べものが減る前に、せっせと食料を集めて巣に貯めこむそうです。ハクも例外ではありません。ペレットが見えると、すぐに頬袋にしまい込み、お部屋へ運びます。冬は、遠くに行かなくても、探検の成果が巣の中に積みあがっていく季節です。
ハク

DAY:395, 交渉決裂のカマキリさん

今日は設計おじさんと洗濯おばさんがハイキングに出かけて、ハクはお留守番でした。デッキも静かで、風の音がいつもよりはっきり聞こえます。のびのびした時間です。夕方、ふたりが帰ってきたとき、洗濯おばさんが「お土産にカマキリを連れて帰ろうと思ったの」と言っていました。けれどカマキリさんは、えーっと…という顔をして、そっと後ずさり。葉っぱの影に消えていきました。どうやら交渉は決裂したようです。そもそもカマキリさんをお土産に貰っても嬉しくないです。遺伝子先生いわく、カマキリさんは単独行動が好きで、なわばり意識も強い生きものだそうです。「むやみに連れて帰られたくない気持ちはよくわかります」とハクも思います。...
ハク

DAY:394, 冬じたくの季節

急に空気がひんやりしてきましたね。ハクは、自然と落ち着かなくなります。デッキの上でも、お部屋の中でも、なにかを隠したり運んだり、忙しく動き回ってしまいます。これは、遺伝子先生いわく「本能的な備蓄行動」だそうです。ハムスターは、寒い季節に備えて少しずつ食料をため込む習性があるのだとか。ペレットの袋が開く音を聞くと、胸がどきどきします。もっとください。冬の夜に備えるのです。
ハク

DAY:393, ノリの良いハク寿、ステージへ。

夕食どき、いつもの音楽タイムに、ときどき流れるミスチルのLIVE映像。ミスチルが大好きな洗濯おばさんのテンションが上がると、決まってこう言われます。「ハクちゃん、ステージを駆け巡れ!」……いや、急にそんなことを言われても。でも気持ちがのってるときは、ちゃんと走ります。桜井ハク寿、今夜もアウトドアエリアで全力ステージ。
ハク

DAY:392, 秋の巣作りシーズン、開幕。

昨日の大掃除で部屋はスッカラカンです。今日からは、秋の恒例「巣づくりフェス」開幕です。設計おじさんが巣材を多めに用意してくれました。ありがたいです。ハクはもう戦闘態勢。砂風呂で体を清め、クフンクフンと鳴きながら気合いを注入。設計おじさんからは「ご機嫌ですね」と言われたけど違います。地下4部屋、気合いの施工がはじまります。
ハク

DAY:391, 神様とニボシの攻防

地車のお囃子がドンドン聞こえて、設計おじさんが言いました。「ハクもニボシを奉納しなきゃね」……は? 奉納?ニボシは神様のものではなく、ハクのものです。探検家は備えを軽んじません。だいたい、神様が本当に偉いなら、デッキの隙間に落ちたペレットを取り出してくれても良いようなものです。それを取らずに「奉納しろ」とは、どういう了見でしょう。遺伝子先生は言いました。「執着もまた、生きるための工夫です」ハクはその教えを胸に、今日もニボシをしっかり自分のために食べるのです。
ハク

DAY:390, 怖いのはどっち?

今夜、設計おじさんと洗濯おばさんが録画で観ていたドラマ「バケバケ」。どうやら怪談の物語のお話しらしいのですが、ハクには人間の世界の方がよほど不思議です。例えば、ホラー映画を見ているお二人は、怖いと言いながらテレビの前から動かないんです。しかも、おやつを食べながら。あれは勇気なのか、油断なのか……。ハクの探検では、物音がしたらすぐにお部屋に避難します。これは遺伝子先生も「とても正しい反応」と言っていました。怖いものを怖がるのは、ハムスターとして正解なのです。バケバケの話も好きですが、本当に怖いのは、設計おじさんが「掃除を始めるぞ」と言う瞬間かもしれません。
ハク

DAY:389, 晩ごはん、出てくるかな

今日は設計おじさんが、とても疲れて帰ってきました。小屋の外で、ドサッと音がしたと思ったら、そのまま動きません。洗濯おばさんが帰ってきて、おばさんのご飯がなかったら、おばさんが困ります。ハクもご飯がなかったら困ります。晩ごはん、ちゃんと出てくるかな……。おじさんが元気じゃないと、おばさんも心配するし、ハクも落ち着きません。おじさん、今日だけは早く寝てください。
ハク

DAY:388, ハクの備蓄

砂風呂やおトイレ砂で穴掘りしていたら、設計おじさんに見つかりました。「めちゃくちゃ掘ってる。大掃除のサインだね」やばい。バレました。ハクのお部屋は4つあって、どこも備蓄で満員です。新しい隠し場所を作ろうと思っただけなのに、それが大掃除の合図になるなんて。設計おじさんの掃除は、お部屋をきれいにしてくれるけど、ハクの宝物も全部なくなります。それでも、きっとまた備蓄でいっぱいになって、掘ってしまうんです。探検家の血がそうさせるんでしょうね。
ハク

DAY:387, 探検家の誇り

今日は、大阪万博の閉会式だそうです。設計おじさんと洗濯おばさんが「もっと上手く回れたらよかったのにね」と話していたけれど、地図のない世界を歩くのが、ハクの得意分野です。ハクは探検家ですから。大阪万博に行ったら、ぜったいに迷わず、どこにどんなパビリオンがあるかだけでなく、どこが入りやすいかすぐに見つけられたと思うんです。ハクをなぜ連れて行かなかったのか、惜しまれます。探検家の本当の仕事は、新しい場所を見つけることだけじゃないんですよ。どうやってそこにたどり着いたかを、ちゃんと覚えておくことなんです。ハクは今日も、お部屋からアウトドアエリアまでの道のりを、小さな足あとで記録しています。
ハク

DAY:386, 体内時計は正確です

突然の雨の前に、設計おじさんが洗濯物を取り込みます。頭痛もあったようで、お天気アプリより先に、自分の体が反応したようです。すぐに雨がくると気がつきました。ハクもいつも体の調子を頼りにしています。晩御飯の時間を覚えている体内時計は、毎日正確です。やはり、体の声を聞くことは探検家にとっても重要なことです。自然の変化と自分の体をうまく合わせて行動する、それが安全で快適な暮らしの秘訣です。ハクの体内時計は今お昼寝タイムです。
ハク

DAY:385, 秋のごほうび

今日から新しいひまわりの種をいただきました。パリッとした食感と、香ばしい匂いがたまりません。遺伝子先生も、「新しい餌は、ハムスターにとって刺激になる」と教えてくれました。まさにその通りです。ハクの小さな舌も喜んでいます。秋の夜長に、ひまわりの種を一粒ずつじっくり味わる幸せ。これが、ハクの小さな至福です。
ハク

DAY:384, ハクなら、すぐにみつけますよ

今日、洗濯おばさんは楽しそうに外出したものの、お目当てのものが見つからず、少しがっかりしていました。ハクなら、そんなときこそ役に立ちます。周囲を観察すれば、すぐに欲しいものの場所はわかります。視覚、嗅覚、そしてちょっとした勘。これが探検家のハクの武器です。遺伝子先生も言っていました。「ハムスターは、好奇心と観察力で小さな宝物を見つける」。ハクをお買い物に参加させてくれたら、その力を存分に発揮しますよ。
ハク

DAY:383, 洗濯は、選択の哲学

今朝、洗濯おばさんが「本を出してみようと思うけど、どお?」と言ってきました。題名は「洗濯は選択」。ハクはその言葉を聞いて、しばらく考えこみました。たしかに、毎日の暮らしは小さな“選択”の積み重ねです。たとえば今日、回し車で走るか、巣の中でくつろぐか。ペレットを先に食べるか、チンゲンサイをあとにとっておくか。遺伝子先生いわく、「生きるとは、選び続けること」。なるほど。良いと思いますよ。洗濯おばさんの書籍を楽しみにしています。
ハク

DAY:382, 香りだけの晩ごはん

夕方、アウトドアエリアでくんくんしていたら、洗濯おばさんのために設計おじさんが作るお得意の担々麺の香りが漂ってきました。ピリッとした香辛料の刺激に、ハクのヒゲもピンと立ちました。でも、食べられるのはチンゲンサイだけ。少し残念だけれど、刺激物は危険なので仕方ありません。「それでいいか」と思っています。生のチンゲンサイをかじると、しゃりっと音がして、冷たい朝露を思い出しました。遺伝子先生が言っていました。「植物を食べるとき、季節の移り変わりも体に取り込んでいるんですよ」と。なるほど、今日のハクは、秋の香りを味わった気がします。
ハク

DAY:381, 設計おじさんのクールダウン

今日は、空気がむわっとしていました。設計おじさんが夕方に帰ってきたと思ったら、そのままダウンしてしまいました。急に暑くなって、身体がついていかないみたいです。ハクも、気温が上がると体を床にぴたりとつけて、少しでも熱を逃がすようにします。遺伝子先生いわく、ハムスターは汗をかけない動物だから、体温調整は空気の流れと床の冷たさに頼るしかないそうです。だからこそ、季節の変わり目は要注意ですね。設計おじさんも、ハクみたいに床でクールダウンすれば、少しは楽になるかもしれません。
ハク

DAY:380, 光のまるさを感じる夜

今夜は満月。洗濯おばさんが「まんまるできれいだったよ」と言いました。ハクは、まだ本物の満月を見たことがありません。でも、お部屋の入り口からこぼれる光が、いつもよりやさしく、白く見えます。遺伝子先生は言いました。「ハムスターは明るすぎる光が苦手だけど、やわらかな月の光なら、気持ちが落ち着くんですよ。」なるほど、だから今日は心が静かです。満月の夜、ハクの世界にも、すこしだけ風流が届いたような気がします。
ハク

DAY:379, かなりやばい湿度です

今日は、びっくりするほど湿度が高いです。空気が重たくて、床の上を走るとムワッとします。設計おじさん、洗濯おばさん、気づいてますか?遺伝子先生も、「これはハムスターに良くない湿度だ!」と慌てています。かなりやばいですよ。設計おじさんもびっくりして慌てて除湿作業を開始してくれました。ひと安心です。随分大きな雨雲が迫っているみたいですね。
ハク

DAY:378, ハクも一緒に祝いたい

今日は、設計おじさんと洗濯おばさんの記念日。なんと17回目なんだそうです。ハクも一緒にお祝いしたい気持ちでいっぱいです。ハクも健康管理をがんばって、来年は一緒に2回目の記念日を迎えたいです。ところで…ケーキのいい匂いがしますね。ハクの分も、ちょっとだけありますか?