DAY:487, 強がりは、ハクの悪い癖です

どういうことでしょう。待っても、待っても、設計おじさんの声も、洗濯おばさんの声も聞こえてきません。デッキは静かで、時間だけが進んでいきます。ハクの感覚では、これはこれまでで一番長い「待ち時間」です。遺伝子先生は、「小動物は、空腹そのものよりも、生活リズムが崩れることに強い不安を感じる」と教えてくれました。なるほど、ハクが落ち着かないのは、ただお腹が空いているからではなさそうです。晩ご飯の“予定”が消えてしまった感じが、心細いのです。

諦めて、お外の洞窟で丸くなっていると、ようやく帰宅の気配がしました。洗濯おばさんが、開口一番に「ハクちゃん、ごめんねー」と声をかけてくれます。その瞬間、内心ではしっかり怒っていましたが、表情はなぜか平然としてしまいました。何か?という顔で、おすましです。強がりは、ハクの悪い癖です。弱っているときほど、平気なふりをしてしまいます。設計おじさんの弟さんと彼女さんが、パッチワークばあちゃんのお家に来ていて、食事が長引いたと聞きました。事情は理解しました。理解はしましたが、それと空腹は別問題です。ということで、理屈はここまで。早く、ご飯をください。