DAY:576,名前とあだ名のあいだ

最近、洗濯おばさんはハクのことを「ハッきゃん」と呼びます。最初に聞いたときは少し引っかかりましたが、何度か続くと、これはこれでよく聞く音になってきました。遺伝子先生は、「呼び方が変わるのは、距離が近くなっているしるし」と話していました。たしかに、その言い方にはやわらかさがあります。

ただ、設計おじさんは少し違う見方をしています。洗濯おばさんは、あだ名を変えていくうちに、元の名前が見えなくなることがあるから気をつけたほうがいい、とのことでした。それを聞いて、ハクは少し考えました。呼び方が増えるのは、関係が広がることでもあります。けれど、どこから来た名前なのかは、ちゃんと残しておきたいとも思います。ハクは白露のハクです。そのことは、しっかり覚えています。あだ名が増えても、元の名前は変わりません。そのふたつのあいだで、ちょうどよい距離を保つことが大事なのかもしれません。