今日は洗濯おばさんがお友達とお出かけしています。こういう日は、お土産という文化があります。ハクは知っています。遠くへ行った人間は、なにかを持って帰ってくる可能性があります。なので今日は、デッキで少し待ちながら過ごしました。ただ、待っているだけではありません。最近のハクには、毎日のルーティンがあります。アウトドアエリアへ続くゲートを、少しずつ削ることです。ガリガリ。毎日ほんの少しだけですが、確実に削れています。設計おじさんは「また工事している」と言います。でも、これは工事ではありません。探検の準備です。遺伝子先生は、「小さな生き物ほど、自分で道を作ろうとする」と話していました。安全な場所を探したり、通り道を広げたりするのは、昔から身体に刻まれている行動なのだそうです。
たしかにハクも、最初から開いている道には、あまり冒険を感じません。自分で見つけた隙間。自分で広げた穴。その向こう側に、お外があります。ドキュメント番組を見ていると、探検家の人たちは、とても遠い場所へ向かいます。氷の山や、砂漠や、深い森です。でも、その始まりはいつも地道です。一歩ずつ進み、毎日少しずつ掘っていく。だからハクも知っています。冒険というものは、急に始まるわけではありません。ガリガリと開けた、小さな穴の向こう側から始まるのです。
