DAY:599,国宝になりたい日

今日は、設計おじさんと洗濯おばさん、それからパッチワークばあちゃんが、奈良へお出かけするそうです。国宝をたくさん見に行くらしいです。ハクはデッキから話を聞きながら、「国宝とは、そんなにすごいものなのですか」と気になっていました。長い時間、大事にされて、たくさんの人が見に来るもの。そう説明されると、なんだか探検家として憧れます。ハクも国宝になってみたいです。

今日は洗濯おばさんのお誕生日でもあるので、ハクなりに精いっぱいのお祝いします。朝から洗濯おばさんに美しい寝顔を見せて、夜は食事もきれいに食べて、さらに特製の食糞まで用意しています。

洗濯おばさんがたちが帰ってくると、洗濯おばさんは間髪入れずに「奈良で鹿さんに、ハクのお友達になってもらえるか聞いてみたけどお断りされました。ごめんね」と言ってきました。ハクは、その瞬間、ひげが止まりました。鹿さんは大きいです。あの脚で近づかれたら、ハクは探検家ではなく、地面の一部になります。国宝になる前に、平らになるのは困ります。

設計おじさんは横で笑っていましたが、洗濯おばさんは本気なのか冗談なのか分からない顔をしています。あの人は時々、少しデンジャラスです。それでも、お誕生日で嬉しそうに出かけていく背中を見ると、今日は良い一日なのだと思いました。ハクはブルーベリーを持ちながら、「国宝というのは、誰かに大事にされることなのかもしれません」と、静かに考えていました。