今日はお仕事から帰ってきた洗濯おばさんが、ずっと大きな声で歌っていました。どうやらストレス発散だそうです。人間の世界にはいろいろな発散方法があるようですが、歌うというのはなかなか豪快です。お部屋にいても、歌声はしっかり聞こえてきました。すると設計おじさんが言いました。「何を歌っているのか分からない」それを聞いて、ハクは少し思いました。それは、あまり言わないほうがよいのではないでしょうか。
たしかに言葉までは聞き取れません。けれど、ハクには何となく分かるのです。楽しそうな歌なのか。元気を出そうとしている歌なのか。今日一日の出来事を追い払おうとしている歌なのか。歌詞は分からなくても、声の調子や勢いから伝わってくるものがあります。探検をしていても同じです。知らない土地では言葉が通じなくても、相手が安心しているのか警戒しているのか、何となく感じることがあります。
今日の洗濯おばさんの歌も、そんな感じでした。何を歌っているのかは分かりません。でも、歌いたい気持ちは何となく分かります。ハクはデッキから、その歌声を聞きながらそう思っていました。
