2025-06

ハク

Day 282,ムシムシの向こうに

今日もムシムシしていて、地下のお部屋の床材が湿っている気がします。でも、梅雨が明けたそうです。これは、嬉しいニュースです。ハクにと っては、洗濯おばさんのご機嫌が上がる時期でもあります。設計おじさんは、暑さでぼんやりしていたようで、洗濯おばさんに「ちゃんと水分とって」と言われていました。探検家は気候の変化に敏感でなければなりません。ハクも注意深く過ごします。でも今は、ラタンボールに夢中です。
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Day 281,ついに、年齢に追いつきました

今日は、先輩のパルちゃんが、お家に帰っていった日なんだそうです。設計おじさんと洗濯おばさんは、ガジュマルのガジュちゃんの記念樹の前で、何やら静かに交信中。あれは、パルちゃんにだけ届く言葉なのでしょう。そんな今日のディナーには、パルちゃんが好きだったブロッコリーがたくさん。なんだか少し、特別な日に思えました。それからもう一つ。ハクは、人間の年齢に換算すると、ついに設計おじさんと同じになったそうです。遺伝子先生から教わりました。ということは——。設計おじさん、おつかれ。なにやってんだよ、今日は、楽しく過ごそうぜ。…と、タメ口で言ってもよいということですよね?
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Day 280,優先順位の魔法

設計おじさんの動きが、今日は少し違って見えました。玄関が開いて洗濯おばさんの「ただいまー」の声と、ハクのお腹が鳴ったのが、同時だったのです。洗濯おばさんの帰宅とハクの食事が重なったにもかかわらず、設計おじさんは、まるで時間を操るように、洗濯おばさんのお食事を用意しながら、ハクのディナーも完璧に用意してくれました。ひとつも取りこぼさず、すべてを満たす。これをハクは「優先順位の魔法」と呼んでおります。
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Day 279,待てど暮らせど

今日は、設計おじさんと洗濯おばさんがおでかけです。パッチワークおばあちゃんのお宅でお食事だそうで、とても楽しみにしていた様子でした。しかし、こちらの夕食の時間は、というと……時計がないので正確にはわかりませんが、ハクのお腹時計はもう限界です。回し車でサイクリングしてみたり、砂風呂で気を紛らわせたりしましたが、気づけばまたデッキに上って、扉の向こうを見つめてしまいます。早く帰ってきてください。お腹が空きました。
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Day 278,それどころではありません

朝から、大雨の音がしていました。地下のお部屋にいても、雨音が小さくこだまします。設計おじさんが「今日は荒れるよ」と言っていたのは、こういうことだったのですね。けれど、ハクには関係ありません。なぜなら、今日も巣作りが最優先なのです。昨晩も遅くまで作業していたので、朝のうちに補強しておきたい箇所がいくつかあります。雨の音に耳を澄ます情緒を感じる余裕などありません。それどころではありません。
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Day 277,静けさと、巣作りと

昨晩、地下のお部屋の全室が空になってから、ハクはずっと巣作りに励んでいます。深夜も、お昼間も、自分の手で組み立て直していくのです。今日は、お外にも少し巣材があったので、必要なぶんを集めて、せっせと運びました。お昼はとても静かでした。設計おじさんは韓ドラじいちゃんのお見舞い、洗濯おばさんはお仕事。静かなデッキ越しに広がるおふたりの生活音もなく、ただただ、巣材の音だけが響いていました。ハクは、けっこう巣作りが得意なのです。遺伝子先生の教えのおかげです。
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Day 276,大掃除のあと

今朝はなんだか、空気が違いました。もしかして、と思ったら、やはり。お部屋、まるごと大掃除の日でした。夕食後のアウトドアエリアから戻ると、地下の3つのお部屋の中身が、すっかり何もなくなっていました。設計おじさんは、片手にちりとりを持って「思ってたより大変だったよ」と言います。それは、ご苦労さまでした。でも、ハクは謝りません。ハクは、それがお仕事ですから。どんな巣が快適なのか、どこにおトイレを配置するか。日々の実験と調査を繰り返すのが、ハムスターとしての責務なのです。お部屋がスッキリしたら、また一から構築開始です。
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Day 275,波に乗るように

大雨の音が、今夜はお部屋にまで届いています。こんな日は、きっとお外の世界は大混乱ですね。でもハクは静かな深夜に、回し車でサイクリングです。ぐるん、ぐるん、と回しながら自分でも思います。どうですか?上手くなったでしょ。最初の頃は、ただがむしゃらに走っていただけなのに、今は力を抜いてもスピードが出ます。リズムをつかんで、回し車の波にのるような感覚。設計おじさんが「回し車はサーフィンですよ」と言っていたのが、少しわかった気がします。探検家は、体力づくりも欠かしません。今日もハクは静かな訓練を積んでいます。
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Day 274,そうですか?それほどでも

ハクは今日、洗濯おばさんから「北川景子に似ているね」と言われました。その時、設計おじさんと洗濯おばさんはネットフリックスで北川景子さんの映画を観ていたようです。…そうですか?それはとてもないですよ。たしかに、ハクもたまに砂風呂から出てくるとき、耳をたたんでポーズを決めている気はしますが、あれは単なる習性ですし。あと、まつ毛もありませんしね。けれど、おふたりのそんな会話に混ぜてもらえるのは、悪くありません。
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Day 273,静かな夜のお食事処

今日は、設計おじさんがとても遅くまで帰ってこなかったので、お外は静かでした。どうやら、韓ドラじいちゃんが病院でお世話になっているようです。ハクは、おじいさまが早く元気になりますようにと、祈る気持ちで、静かにお食事処に向かいました。今夜は、小松菜とブロッコリーがとても新鮮でした。噛みしめるたびに、しゃくしゃくと小さな音がして、ハクの耳にやさしく届きます。こうして食べ物をいただけることも、健康でいられることも、あたりまえではないのですね。
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Day 272,ごはんが遅い日の話

今日は、設計おじさんがとてもお疲れのようでした。お外の世界では、きっと大変なことがいろいろあるのでしょう。だからでしょうか、晩ごはんの時間が、だいぶ遅れました。ハクは、お腹がすいてしまって、備蓄していたペレットに手を出しました。備えておいて、本当によかったです。食べ終わった頃に、ようやく新しいごはんが届いたのですが、もうお腹はいっぱいでした。洗濯おばさんが、設計おじさんのために踊っていた「プリンプリンダンス」。あれは、なかなか元気が出そうな踊りです。でも今日は、ハクのテンションがそれを受け止められるほどには戻っていませんでした。
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Day 271,ペルーという名の珈琲

午後、お部屋はとても静かでした。設計おじさんと洗濯おばさんがお出かけしていたそうです。帰ってきたとき、お二人の間から、ふわりといい香りが漂いました。どうやら、美味しい珈琲を飲んできたとのこと。設計おじさんは、「ペルーをのんだ」と言っていました。ペルー。ハクにはそれがどこか、すぐにはわかりません。でも、名前に風が吹いているような感じがして、なんだか素敵です。探検家としてのハクは、ペルーという国を知りたくなりました。高い山があって、神秘の都があって、きっとそこにも、野生のハムスターに似た仲間がいるかもしれません。珈琲の香りからはじまる冒険だって、あるのです。
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Day 270,理由なんて、いつもあるとは限らないのです

設計おじさんが、お外から帰ってくると、すぐにわかります。汗の匂いが、お外の空気と一緒に、お部屋に流れ込んでくるからです。今日は少しイライラ、昨日はほっとしている感じ。そんな微妙な気分の違いも、ハクには伝わります。そのおじさんが、ハクに聞きました。「なぜ、そんなに砂風呂を掘り返すの?」ふふ、それは秘密です。理由があるときもあれば、ないときもあります。でも、大事なのは、見えない気持ちを、見ようとしてくれることなのです。
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Day 269,水のこと、ちゃんと考えてください

今日の午後、設計おじさんはふらふらと歩いていました。どうやら、暑さと水分不足で、体がしんどいみたいです。「水分補給してくださいね」と、ハクはお部屋から念を送っておきました。にんじんやキャベツの水分が、どれだけ体を潤してくれるか、ハクは知っています。小さなからだでも、水を意識して暮らすことは、生きる知恵のひとつなのです。おじさんも、もっと野菜を食べて、たくさんお水を飲んでください。明日は涼しくなりますように。
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Day 268,暑波到来

今日は、記録に残したくなるような暑さでした。朝から設計おじさんと洗濯おばさんの「あつい〜」という声があちらこちらから聞こえてきます。お外の世界から吹き込む熱気は、デッキの前まで伝わってきて、思わず耳を伏せたくなるほどでした。ハクは今日も地下のお部屋で静かに過ごすことにしました。お部屋はエアコンの涼しい風がゆるやかに届くので、快適です。設計おじさん、どうかそのままの設定でよろしくお願いします。涼しい場所を知っているということは、生き物にとっては立派なサバイバル術なのだと、遺伝子先生が言っていました。外はまるでフライパンみたいですが、ハクの暮らしは今日も平和です。
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Day 267,聖者の行進

今日、洗濯おばさんがテレビCMのタウンワークのメロディに合わせて、ハクの歌を口ずさんでいました。アメリカ民謡「聖者の行進」のあの陽気なリズムにのせて、です。「お尻チューン。お尻チューン。ハークちゃんがーやってくる〜♪」みたいな詩で、とても元気に歌われていて、恥ずかしいやら嬉しいやら。設計おじさん聞いていないふりをしながら聞き耳を立てて、微笑んでいました。ハクは音楽に詳しくないのですが、この民謡には、もともと「希望」や「再会」という意味があると聞いたことがあります。たしかに、洗濯おばさんの声には、そういうあたたかさがありました。
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Day 266,砂風呂の中の、ひみつ

今日は雨なので、お部屋でゆっくり過ごしていたのですが、設計おじさんがふと、砂風呂に目をやってびっくりしていました。「ん?なんで、桃の木がここにあるんだ?」と。それはもう、ハクのひみつです。口に出さずにふふっとだけ笑っておきました。ミステリアスな女というのは、少し謎があるくらいがちょうどいいのです。洗濯おばさんも、そうおっしゃっていましたし。見守りカメラのタポちゃんには、目をそらしておいてもらうことにします。きっと協力してくれるはずです。
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Day 265,ひとり時間

設計おじさんも洗濯おばさんも、お出かけでした。誰もいない午後は、いつもより音が少なくて、少しだけ世界が広く感じられます。でも、ハクにとって今日はちょうどいい気温です。エアコンがしっかり効いていて、お外の暑さとは無縁。ぺたんと姿勢を低くして、風の通りを感じながら、ぼんやりと時間をすごしました。明日は雨になるらしいです。設計おじさんが、ちょっと浮かない顔をしていました。ハクとしては、エアコンとおいしいごはんがあれば、それで十分なのですが、人間のご機嫌というのは天気にも左右されるのですね。遺伝子先生も、そこは未解明の領域とおっしゃっていました。
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Day 264,包まれるなんて

今夜は、設計おじさんと洗濯おばさんが仲良く餃子を作っていました。ハクもつい小屋の屋根からじっと観察してしまいました。ひとつひとつ丁寧に包んでいく様子は、なんだか落ち着く光景です。設計おじさんが、「ハクちゃんもお手伝いする?それとも、皮に巻かれてみる?」と冗談を言ってきました。ハクは内心、少し背筋がひやりとしました。包まれるより、自分で巣材を重ねて包みこむほうが性に合っています。
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Day 263,リラックスの証

今日は、お部屋の中にふわりとした湿度がありました。けれど、エアコンの風が心地よくて、体をほどよく冷やしてくれています。この季節、快適に過ごせるというのは、とてもありがたいことです。そんな穏やかなひとときに、ふとあくびが出ました。大きく口を開けた瞬間、レンズの気配が……。そうです、設計おじさんがその場面を撮影していたのです。ハクとしては、ちょっと恥ずかしかったのですが、遺伝子先生によると、「ハムスターのあくびは、安心と信頼の証」なのだそうです。そう考えると、今日の一枚は、ハクと設計おじさんとの信頼関係の記録でもあるのかもしれません。…でもやっぱり、撮影は事前に伝えていただきたいです。
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Day 262,ダンス

洗濯おばさんは、よく踊っています。なんとも言い難い踊りなので、設計おじさんは、吉本新喜劇の坂田利夫をオマージュしているんだよと教えてくれます。踊りをいじられると、洗濯おばさんは、本当はヒップホップダンスの達人でみんながびっくりするから、あえて奇妙なダンスをしているといいます。本当ですか?今日は、お昼寝をたっぷりしたおかげで、夜になると体が軽く、気分も上々。アウトドアエリアのあちこちを見回ったあと、自然と「キュキュ」と声が出ました。ハムスターが鳴くのは、少し珍しいことなのだそうです。けれど、遺伝子先生は「気持ちが高ぶったときには、思わず声が出ることもある」とおっしゃっていました。今日はまさに、そ...
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Day 261,チョロQって?

今日は、朝から雨がしとしと。けれど、アウトドアエリアは開放されていて、ハクは思いきりランを楽しみました。ぐるっと駆けて、急に止まって、また方向を変えて……それがよほど面白かったのか、洗濯おばさんが「チョロQみたい」と言って笑いました。チョロQとは、昔の人間界で人気だった小さなおもちゃの車だそうです。後ろに引いておくと、手を離した瞬間、勢いよく走り出す仕組みとのこと。なるほど。探検家としては、構造が気になります。いったいどこにエネルギーが溜まっているのでしょうか。
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Day 260,じわじわ作戦、進行中

ゲートのふちを、毎日少しずつ削っています。時間はかかります。でも、ここを突破すれば、アウトドアエリアを自由に探検できるんです。探検家に必要なのは、スピードではなく粘り強さ。今日もまた、ひとかじり分、前進しました。設計おじさんは、黙って見ているだけ。たぶん、できっこないと思っているんでしょうね。ふふん。甘く見ないでください。この「じわじわ作戦」、着実に進んでいます。
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Day 259,チーズケーキのかおり

夜、設計おじさんと洗濯おばさんが、チーズケーキを食べていました。部屋いっぱいに、ふんわり甘い香りが広がっていました。ハクは、おやつにひまわりの種とパセリやたんぽぽのドイツ製おやつをいただきましたが……。チーズケーキ、美味しそうですね。ないんですか?なぜハクにはないのでしょう?ちょっと納得できません。
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Day 258,音のない時間

今日は、家の中がいつもより静かです。洗濯おばさんはお仕事に、設計おじさんは自転車のタイヤ修理に出かけているとのこと。午前中の静けさは、まるで時間が止まっているかのようでした。こんなとき、ハクは「音」をよく感じます。風の音、遠くの車の音、お外のムシムシした空気の気配。夏の季節がそっと近づいてくる気がしました。
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Day 257,防災デイ

今日は、設計おじさんがまた「防災デイ」だったようです。以前にも似たような日がありましたが、今回はどうやら最終ラウンドらしく、ずっと何かを調べていました。お部屋の安全?避難ルート?非常食?洗濯おばさんが困らないようにするには?ハクちゃんはどうする?どうやら、ハクのための防災も真剣に考えてくれているようです。小さな体にも安心できる備えがあるというのは、ありがたいことです。設計おじさん、できるなら甘いブルーベリーの備蓄もしておいてください。
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Day 256,おみやげ話の選び方

今日は、設計おじさんが外でお友達とごはんだったようです。ロードバイクとAIについてのお話をたくさんしてしたみたいなのですが、洗濯おばさんはお友達が万博にお出かけした情報が欲しかったみたいです。設計おじさんは、もう少し万博の話題をほり下げたらよかったねとなぜかハクに反省してきました。ハクとしては、どう返していいのか困ります。設計おじさん、今度は洗濯おばさんが聞き耳立てるような話題も、ちゃんと聞いてきてください。
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Day 255,恥ずかしいのでそっとしておいてください

あの瞬間が撮られていたなんて、ハクはとても恥ずかしいです。眠っているとき、コクっとして、屋根から落ちた……それだけでも落ち着かないのに、見守りカメラのタポちゃんにバッチリ撮られていました。設計おじさんは笑いながら「人間の寝落ちと同じだね」と言いましたが、笑えません。さらに、ハクが巣材を整えている様子まで細かく見られていたようで、「三つのお部屋にセットするのに10日かかるみたいだね」と言われました。そんなに見ていたんですか?ハクは静かに暮らしたいのです。洗濯おばさん、どうか設計おじさんに「観察もほどほどに」と伝えてください。