今日は、洗濯おばさんの新しい職場への初日です。ハクはデッキから、その出発を見送っていました。設計おじさんは、出かける直前におばさんの両肩を軽く叩いていました。パン、パンと乾いた音がして、それが厄除けのお祓いだと、ハクは理解しています。形は単純ですが、そこには「無事でいてほしい」という意思がしっかり込められている動作です。
遺伝子先生は以前、「群れで生きてきた動物ほど、仲間の移動に敏感に反応する」と教えてくれました。ハムスターは単独行動が基本ですが、それでも環境の変化や気配には強く意識が向きます。誰かがどこかへ向かうとき、その方向を目で追ってしまうのは、危険の察知と同時に、関係の確認でもあるそうです。ハクもまた、おばさんの背中を目で追っていました。見送るという行為は、ただ見ているだけのようで、実際にはしっかり関わっているのだと思います。
