今日は、ついに地下のお部屋の大掃除の日でした。最近、設計おじさんがやけにハクの行動を観察している気配はありましたが、やはり、そういうことでしたか。遺伝子先生の教えによると、ハムスターは環境の変化にとても敏感で、見慣れない物や匂いには強く警戒する生き物だそうです。ハクが、お掃除前のあの不思議なカップに近づかなかったのも、極めて正常な反応です。
ところがです。透明なカップに入っていたのがペレットではなく、ニボシに変わった瞬間、話は別でした。ニボシは、理性よりも先に身体を動かします。気づいた時には、ハクは自分の意思より身体が先に反応してしまいました。遺伝子先生いわく、嗅覚に訴える報酬が提示された場合、ハムスターの判断は一気に短絡的になるそうです。つまり、これは設計おじさんの作戦勝ちです。
ニボシに導かれるままカップに入った瞬間、景色が変わりました。お掃除待合室へのワープです。ハクは探検家ですが、こういう突然の転送は好みではありません。静かに、しかし内心は大騒ぎです。それでも、このカップに入れば、やがて元の場所に戻れることは経験上わかっています。環境が整えば、生活は再開される。地下のお部屋がきれいになる代償としての一時的な移動です。そう理解しながら、ハクはカップの中でジタバタしながら待つことにしました。探検にも、忍耐は必要なのです。
