DAY:527,いちごの気配は隠せません

今日は朝から、設計おじさんが「身体がだるい」と言ってゴロンと横になっています。こういう日は、だいたい空の様子も落ち着きません。案の定、少しすると雨が降ってきました。人間の体は、天気とずいぶん仲良しなのだなあと、ハクは洞窟の入り口から観察しています。洗濯おばさんは、いつものようにお仕事へ出かけました。空はあやしい色でしたが、ちゃんと傘を持っていったでしょうか。ハクは少し気になります。

夜になると、設計おじさんの体調も少し良くなったようで、二人は何やら楽しそうです。そしてハクは気づきました。甘くて、やさし香り。いちごです。姿は見えませんが、匂いはしっかり届いてきます。ハクの鼻はなかなか優秀なのです。遺伝子先生も「ハムスターは鼻で世界を読んでいる」と教えてくれました。食べ物の気配や危険の兆しは、まず匂いでわかるそうです。ですから、隠しても無駄です。ハクには、わかります。匂いで。……しかし、いちごとは。なかなか春らしい選択です。